Hf ハフニウム 原子番号72 第4族
長かったランタノイドを抜けて最初にお目見えする元素です
融点・沸点が共に高く、密度も高いですが
これから出てくる元素達と比べると若干見劣りしてしまいます
プラズマトーチに使われています


Ta タンタル 原子番号73 第5族
あまり知られていなくても、実は身近で使われている元素の1つです
主にタンタルコンデンサとして様々な電子機器に使用されています
融点・沸点と密度がよりも高く、沸点に至っては5000℃を超えています
ちなみに、炭化タンタルハフニウムTa4HfC5は最も融点の高い物質で、その融点はなんと4215℃です


W タングステン 原子番号74 第6族
比較的知名度の高い元素です
全元素中2位の融点3380℃(1位は炭素の3642℃ ただし107気圧下からのみ液相が存在)と沸点5555℃を誇ります(沸点については1位の可能性有)
今も白熱電球のフィラメントに使われていて、工業的にもタングステンカーバイドがよく使われています
金と比重が近く、タングステンに金メッキすると金との見分けが難しいらしいです
ちなみに、炭化タングステンは最も融点の高い物質であり、その融点は約6000℃だそうです
どれくらいかというと、太陽の表面温度よりも高く、地球の中心部と同じくらいです


Re レニウム 原子番号75 第7族
全元素中トップの沸点5596℃も持つ元素です(ただし2位の可能性有)
全然市場に出回らない希少な金属で、年間50トンも生産されていないとか
自然界で最後から2番目に発見された元素です
フィラメントや触媒、タングステンとの合金は航空宇宙用の材料として使われています
インジウムテルルと同じく、安定同位体レニウム185より放射性同位体レニウム186の方が多い元素ですが
やはり半減期は長く、レニウム186の半減期は412億年です


Os オスミウム 原子番号76 第8族 白金族 貴金属
全元素中最も密度の高い元素です
単体は微妙に青色っぽい銀色で、すごく硬い金属です
白金やイリジウムとの合金は万年筆のペン先に使われます
酸化物の四酸化オスミウムは猛毒で、揮発性が高く昇華しやすいです


Ir イリジウム 原子番号77 第9族 白金族 貴金属
オスミウムの次に密度の高い金属です
展性・延性に乏しいので加工が難しく、酸やアルカリにもまず溶けません
希少な元素ですが、恐竜が絶滅した6550万年前辺りの地層にたくさんのイリジウムが含まれていて
それが隕石の衝突によって恐竜等が絶滅したとする説の有力な証拠となっています


Pt 白金 原子番号78 第10族 白金族 貴金属
金と並んで貴金属を代表する元素です
化学的に極めて安定で、とても高価ですが実験用の器具に使われます
触媒としてもとても有用で、自動車の排気ガスの浄化触媒にもたくさん使われています
シス-ジアミンジクロロ白金(II)(通称シスプラチン)という化合物は抗がん剤として使用されています


Au 金 原子番号79 第11族 貴金属
誰しもが憧れるであろう金属です
イオン化傾向がもっとも小さい金属で、王水以外の酸には溶けないと習いますが、ヨードチンキや一部のものすごい酸化力の酸にも溶けます
展性・延性に最も富んだ金属で、1gの金は3kmまで伸ばせます
用途はとても多くて書くのが面倒臭いので詳しくは調べてみてください


Hg 水銀 原子番号80 第12族
金属元素の中で唯一常温で液体の元素です
表面張力が大きく、他の液体と比べ値が1桁違います
常温で液体である等の特異な性質が科学者達の興味を引き付け、様々な研究がされてきました
大昔の人々は水銀を「不死の薬」として崇め、これを飲んでいたそうです 始皇帝はこれによって死んだそうです
ちなみに、金属水銀は案外安全です かといって絶対に飲んじゃダメよ


Tl タリウム 原子番号81 第13族
静岡県の女子高生が母親にタリウムを摂取させ殺そうとした事件は有名です
重金属のなかでも特に強い毒性を持ち、神経障害を引き起こします 化合物も殺鼠剤などに使われています
KGBは、放射性タリウムを毒殺用毒物として使っていたそうな
実際に使われた例としては、1957年に元KGB工作員のニコライ・ホフロフという人がこれを盛られて瀕死にまでなっています(一命は取り留めました)


Pb 鉛 原子番号82 第14族
安定同位体をもつ最後の元素です 最重安定同位体は鉛208です
弾丸に使用され、(元素としての性質をほぼ無視した状態で)ものすごい数の人を殺してきた元素でもあります
古代ローマ古代ギリシャなどの大昔から広く使われてきている金属で、代表的な重金属の1つです
用途も釣りのおもりから放射線遮蔽剤まで様々です
また、鉛中毒は代表的な重金属毒であり、古代ギリシャの文献にも鉛中毒について書いてあったらしいです
鉛から先は全て安定同位体を持たない放射性元素です


Bi ビスマス 原子番号83 第15族
2003年までは最重安定元素だった元素です
ビスマス209は長い間安定同位体だとされていましたが、2003年に約1900京年(19000000000000000000年)の半減期を持つ放射性同位体だとわかりました
水銀、タリウム、鉛と来てこいつも毒性を持つのかと思いきや完全に無毒です 胃薬にも使われています
鉛のように重く、柔らかく、融点が低いので鉛の代わりに使われたり、テルル-ビスマス合金として熱伝変換素子に使われています


Po ポロニウム 原子番号84 第16族 カルコゲン
極めて強い毒性と放射能を持つ元素です
ウランに比べ100億倍の放射能を持つと言われています(ただし自然界にはウランの100億分の1程度しか無い)
ポロニウム210は最も毒性の強い放射性同位体で、たった10ngでも致死量に達するそうです
こんな元素にも使い道はあり、静電気除去ブラシに使われています
2006年に元KGBFSBのアレクサンドル・リトビネンコが10μgものポロニウム210を盛られ毒殺されました
最近ではヤセル・アラファトポロニウム210で毒殺された可能性があると言われています


At アスタチン 原子番号85 第17族 ハロゲン
半減期がとても短い元素です
最長の半減期を持つアスタチン210ですら半減期は8.1時間です
地殻中の含有率が極めて少なく、その量はたったの約28gだそうです
半減期が短すぎるので用途は特にありませんが、アスタチン211が将来がんの治療に使われるかもしれないっぽいです


Rn ラドン 原子番号86 第18族 希ガス
密度が9.73g/Lもある重い元素で、花崗岩から出てきます
標準状態で気体であり、放射能を持つので結構危険です
実は喫煙に次ぐ肺がんのリスク要因です
ラドンが溶けている温泉も普通にあります


Fr フランシウム 原子番号87 第1族 アルカリ金属
自然界で発見された元素の中で、最後に発見された元素です
現在最も原子番号の大きいアルカリ金属で、最長の半減期を持つフランシウム223ですら22分でしかありません
アスタチンの次に地殻中の含有量が少なく、その量は20〜30gだそうです
最近になって目に見える量(直径約1mmの赤熱した球)が生成され、性質の測定が行われました


Ra ラジウム 原子番号88 第2族 アルカリ土類金属
110〜80年くらい前は人気者だった元素です
当時は温泉が健康に良い理由がわかりませんでした
それで調べてみると、ラジウムラドン等の放射性物質が溶けていることがわかりました
それからおよそ30年間、放射能健康ブームは続きました
現在は特に用途はありませんが、キュリー(Ci)という以前使われていた放射能の単位の基準になっています(今はベクレル Bq を用いることになっています)




そろそろ終わりが見えてきた